難聴とは

難聴とは

音が聞こえない、もしくは人の話が聞き取りにくいために日常生活に支障をきたしている状態が難聴です。
放置すると、他者とのコミュニケーションがうまく取れず、ストレスの原因となります。
最近の研究では認知症の最も大きな原因とも言われており、異常を感じた場合はお早めにご受診ください。

難聴は、単に加齢だけではなく、病気や外傷によって引き起こされることもあれば、騒音による環境要因が原因となることもあります。
ご高齢の方だけでなく、お子さまをはじめ、思春期や青・壮年期の世代、中高年世代など幅広くみられるのも特徴です。

難聴は、大きく伝音難聴と感音難聴に分けられます。

伝音難聴について

伝音難聴は、外耳や中耳の異常が原因で発症する難聴です。
具体的には、外耳道、鼓膜、耳小骨のいずれかに異常があり軽度~中等度の難聴であることが多いです。
中耳炎(急性、真珠腫性、滲出性)、耳垢塞栓症、耳硬化症、外耳道狭窄などが挙げられます。

感音難聴について

感音難聴は、内耳より奥の障害が原因の難聴です。
さらに障害部位によって、内耳性難聴と後迷路性難聴に分けられます。

内耳性難聴は、内耳~らせん神経節の間で何らかの障害を受けている状態です。
原因疾患としては、加齢性難聴、突発性難聴、メニエール病、ウイルス性内耳炎、薬物性難聴などが挙げられます。

また後迷路性難聴は、らせん神経節よりも奥の部位での障害によって引き起こされる難聴です。
聴神経腫瘍等の腫瘍性疾患、虚血性病変、多発性硬化症などが原因疾患となります。

検査について

難聴に対する精密検査には、下記の検査があります。

標準純音聴力検査では、ヘッドホンを装着し、オージオメーターから様々な周波数の音が出ます。
同検査では、聞き取れる音の大きさを確認し、難聴の有無、程度、種類などを調べます。
上記以外にも、人の言葉をどれだけ聞き取れるかを調べる語音聴力検査、中耳の状態(鼓膜の動き 等)を調べるティンパノメトリーなどの検査があります。

治療について

原因疾患や聞こえの程度などによって、治療内容は異なります。

中耳炎や突発性難聴に対しては、薬物療法(ステロイド系薬剤、抗菌薬 等)が行われます。

処置(耳垢の除去)や手術(鼓膜形成術、耳小骨手術 等)による治療が可能であれば、それらが選択されることもあります。

また加齢性難聴や感音難聴は、軽度(平均聴力レベルが25dB~40 dB未満)、中等度(平均的聴力レベルが40dB~70 dB未満)、高度(平均的聴力レベルが70dB~90 dB未満)の難聴であれば、補聴器の装用を検討します。

なお重度難聴(平均的聴力レベルが90dB以上)に対しては、人工内耳も考慮します。